大東文化大学 齋藤ゼミレポート(17)
12月12日の家つくりWSは、1月5日に行われる「野菜初売りリヤカー体験」の作戦会議。「野菜初売りリヤカー体験」では、野瀬さんの畑で育てた野菜を、楽農くらぶWSの中で半年かけて再生させたリヤカーに乗せて、野瀬自然農園から新宿の淀橋市場まで卸にいきます。
その野菜売りの背景を知るために、武蔵野の歴史、文化、そして、様々な街のことに詳しい平田さんに近郊農村の練馬の歴史についてお話をしていただきました。
本日のワークショップのメインプログラムは、平田さんに「野菜初売りリヤカー体験」の準備として、実際にリヤカーで野菜を運んでいた頃の練馬の農業について、そして、リヤカーを引きながら歩く、練馬から北新宿「淀橋市場」までのルートについて、平田さんから教えて頂くことなのです!
江戸の野菜売り歩き
話は江戸時代まで遡ります。野瀬自然農園のある練馬は「練馬大根」など根の物を中心とする近郊農村(野菜作りを主とする農村)でした。
農家さんは毎日15km離れた淀橋まで売り歩きをしていました。この地域で採れた野菜はこのようにして江戸まで運ばれており、この野菜の売り歩きは昭和初期まで行われていたそうです。
運搬手段は江戸時代の馬車から始まり、牛車、大八車、リヤカーへと変化。当時の農家さんは100~120kgの野菜を積んだリヤカーを運んでいたそうです。
中には杉並から川崎まで売り歩いた農家さんも。当時の農家さんには驚きました。それぞれの地の利を活かした農作物を運び、売るという流れを学びました。
「練馬大根」についても解説していただきました。この練馬大根は当時の農家さんの代表的な野菜で、一般的な大根よりも細く、長い見た目が特徴で繊維質が多く、水分が少ないため生で食べてもおいしいそうです!
平田さんおすすめの食べ方はこの性質を生かした「しゃぶしゃぶ」と「大根ステーキ」だそうです。話を聞いているだけでとてもおいしそう!
まだまだ平田さんの歴史の話題は尽きません! 小松菜などの葉の物を代表する葛西と練馬の違い、遠郊農村について、リヤカーの名前の由来など野菜の初売りを前にしっかり歴史的な背景を知ることができました。
当時の野菜売りを想像しながら野菜の売り歩きをしてみるとリヤカー体験がもっと楽しくなりますね。
平田さんのお話を聞いた後は昼食です。
本日は石神井にある「ハーベスト」さんのパンです。「ハーベスト」さんは野瀬自然農園で採れた野菜を使用した料理やパンが提供されています。普段のWSと少し違ったメニューでした。
野瀬さんの畑の大根を使った大根ポタージュもいただきました。おいしいパンと温かいスープはとても合います!おいしい昼食に会話も弾みました。もちろんパンはゼミ生が残さずいただきました。